Cheap Trickのテキスト書庫

Cheap Trickファンサイトで過去に書いた文を加筆訂正して転載します

【来日公演リポート】Tinted Windows live at Duo Music Exchange Jan,15 2010

Fountains Of Wayneのアダム・シュレシンガー、Hansonのテイラー・ハンソン、Cheap Trickのバン・E・カルロス、そしてジェイムズ・イハの4人で結成されたTinted Windows

元々友人であったアダムとテイラーに、ジェイムズが加わるというかたちで進展したバンドの成り立ち。また、1曲("Take Me Back")を除いてメンバー単独で書かれた曲ばかりという内容からもいたしかたないのかもしれないが、個性的なメンバーが揃っている割に楽曲がインパクト不足という印象が「Tinted Windows」アルバムにはあった。

  チケットのチケットの売上不振による事情なのか?当初予定していた2700人収容のZeppから1100人のDuo Music Exchangeに会場が変更。情報によれば、大阪公演は会場の半分が埋まったかという程度の入りだったそうだが、Duoは大阪の会場BIG CAT(850人収容)より大きい。ライヴの開始までホールが埋まるかドキドキしたが、この横長の独特の形状の会場は、様々な年齢層のファンで9割方埋まっている。良かった。私は、ジェイムズ側の後方にポジションをとったのだが、それでもメンバー全員の表情がよく見えた。特に、バン・Eの表情がよく見えたのは嬉しかった。Cheap Trickではステージ・プレゼンスでは他のメンバーの脇役に周っているバン・Eだが、Tinted Windowsではその存在感を遺憾なく発揮。笑顔を振りまきながら、やや固さの見えた若きフロントマンのテイラーをしっかりサポートしていた。

  シンプルでコンパクトなパワー・ポップの数々は、心地よく響く反面ショウに起伏を生むのが難しいが、この日のショウは巧みな構成とショウの進め方によって上手いドラマを生んでいた。中弛みさせないミディアム・テンポの曲とファストな曲のセットの配し方。本編終盤"The Dirt"のエンディングからアルバムのリーダー・トラック"Kind Of A Girl"へ間髪いれず繋ぐハイライトのつくり方。大阪公演ではプレイされなかったKnackの"Let Me Out"とBuzzcocksの"I Don't Mind"もプレイされ、勢いがありつつもバラエティに富んだ内容だった。Tinted Windowsの曲はライヴの方が断然映える!

  楽器隊のメンバーは、華やかさにこそ欠けるものの音の存在感は流石で、安定した演奏でテイラーのヴォーカルを支えていた。それぞれ特徴のある声を持つアダムとジェイムズのコーラス・ハーモニーも心地よい響きを聴かせてくれた。テイラーは、まだバンドをリードするというよりは一生懸命さが先行していたが、ヴォーカルは安定していたし、観客を盛り上げようとする熱意がMC、アクションから伝わってきて良かった。会場が最後までポジティヴなエネルギーに満ちていたのは、テイラーの頑張りに依るところが大きい。

このDuo公演は録音(録画)されていたそうで、音のクオリティが良ければリリースされる可能性もあるようだ。ライヴ作品のリリースと、今後のバンドの更なる発展に期待したい!

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- set List -

1.Take Me Back
2.Can't Get A Read On You
3.Nothing To Me
4.Dead Serious
5.Messing With My Head
6.new song("New Cassette"?)
7.Back With You
8.Cha Cha
9.We Got Something
10.The Dirt
11.Kind Of A Girl
12.Doncha Wanna
13.Let Me Out(The Knack cover)
encore:
14.I Don't Mind(Buzzcocks cover)
15.Without Love

 

(2010年1月22日にアップした文を加筆修正)