Cheap Trickのテキスト書庫

Cheap Trickファンサイトで過去に書いた文を加筆訂正して転載します

【Discography】Busted(1990)

Busted(1990)

1.Back'n Blue
2.I Can't Understand It
3.Wherever Would I Be 
4.If You Need Me
5.Can't Stop Fallin' Into Love
6.Busted
7.Walk Away
8.You Drive,I'll Steer
9.When You Need Someone
10.Had To Make You Mine
11.Rock'n' Roll Tonight
12.Big Bang
*Japanese edition bonus track

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

大ヒット作「Lap Of Luxury」('88)に続いてリッチー・ズィトーをプロデューサーに迎えた1990年リリース作。1stアルバムから在籍していたエピックからリリースされた、最後のオリジナル・アルバムとなった。

  「Lap Of Luxury」同様、3曲めに外部ソングライター(ダイアン・ウォーレン)のバラード"Wherever Would I Be"を配した構成に、再びAOR路線でのヒットを期待するレーベルの意図を感じられるが、この曲と、ロイ・ウッドのカヴァー"Rock 'N' Roll Tonight"を除く全ての曲にメンバーがソングライティングでクレジットされているのが、外部ライターの曲が大半を占めた「Lap Of Luxury」と大きく異なる。

  メンバーが楽曲の主導権を再び握ったことでRolling Stones風の"Back'n Blue"や、Beatles風の"Had To Make You Mine"、ソウルフルな"Can't Stop Fallin' Into Love"のようにルーツ色が明確に出て、音の面でもライブ感のあるバンド・サウンドを取り戻している。整合感にはやや欠けるが、レーベルからの制約がありながら、バンドが本来の方向性に軌道修正した点でターニングポイントとなったアルバムである。

  Foreignerのミック・ジョーンズが"If You Need Me"のソングライティングとギター・ソロで、Pretendersのクリッシー・ハインドが"Walk Away"のヴォーカルで、Sparksのラッセル・ミールが"You Drive,I'll Steer"のバッキング・ヴォーカル、White Lionのマイク・トランプが"Busted"のバッキング・ヴォーカル(クレジットにはなし)でゲスト参加。元Pocoのギム・ブラードがキーボードを担当している。

  "Can't Stop Fallin' Into Love"が最高位12位(Billboard Hot 100)、"Wherever Would I Be"が最高位50位(同上)、アルバムが最高位45位(Billboard 200)を記録した。