Cheap Trickのテキスト書庫

Cheap Trickファンサイトで過去に書いた文を加筆訂正して転載します

【Discography】Next Position Please(1983)

1.I Can't Take It
2.Borderline
3.I Don't Love Here Anymore
4.Next Position Please
5.Younger Girls
6.Dancing The Night Away
7.You Talk Too Much
8.3-D
9.You Say Jump
10.Y.O.Y.O.Y
11.Won't Take No For An Answer
12.Heaven's Falling
13.Invaders Of The Heart
14.Don't Make Our Love A Crime

[authorized version]
1.Can't Take It
2.Borderline
3.I Don't Love Here Anymore
4.Next Position Please
5.Younger Girls.
6.Don't Make Our Love A Crime
7.3-D
8.You Talk Too Much
9.Y.O.Y.O.Y
10.Won't Take No For An Answer
11.Heaven's Falling
12.Invaders Of The Heart
13.Twisted Heart
14.Don't Hit Me With Love
15.You Say Jump
16.Dancing The Night Away


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Cheap Trickのメンバーと1960年代から繋がりがあり、気心のしれたトッド・ラングレンをプロデューサーに迎えた1983年リリース作。

一聴してトッドのディレクションと解る、エッジ抑えめの洗練された音はCheap Trickの生のライブのそれとは距離があるが、その分バンドの持つポップ・センスが良く活かされた名曲が軒を並べている。ミュージック・ビデオが作られた、ロビン作の"I Can't Take It"を筆頭に、バンドのライブ・フェイバリット"Borderline" 、陰りのあるメロディが印象的な"I Don't Love Here Anymore"、もの悲しいバラード"Y.O.Y.O.Y"、歌詞が当時の彼らの心情を吐露しているようなアルバム・タイトル曲と、ソングライティングで新生面を見せた曲が多い。

トッドが提供したハード・ポップ"Heaven's Falling"も、上手くハマっているが、オリジナル版では、レーベルの意向で収録されたMotorsのカヴァー"Dancing The Night Away"(イアン・テイラーがプロデュース)と、これもレーベルの指示でシングル向けの曲として追加で<書かされた>(が、実際にはシングル・カットされなかった)"You Say Jump"の2曲は音楽的に明らかに浮いており、流れを遮っている。

2012年にリリースされたボックス・セット「The Complete Epic Albums Collection」に収録され、後にサブスクでも聴けるようになった"authorized version"は、そのタイトル通りバンドの意向を反映した「Next Position Please」のニュー・バージョン。オリジナルの曲順を入れ替え、"Twisted Heart" と、未発表曲"Don't Hit Me With Love"を追加収録した、決定版といえる内容だ。