Cheap Trickのテキスト書庫

Cheap Trickファンサイトで過去に書いた文を加筆訂正して転載します

【Discography】Woke Up With A Monster(1994)

Woke Up With A Monster(1994)

1.My Gang
2.Woke Up With A Monster
3.You're All I Wanna Do
4.Never Run Out Of Love
5.Didn't Know I Had It
6.Ride The Pony 7.Girlfriends
8.Let Her Go
9.Tell Me Everything
10.Cry Baby
11.Love Me For A Minute
Bonus track
(Japanese edition only):
12.Sabre Dance

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デビュー以来在籍していたエピック・ソニーを離れ、ワーナー・ブラザーズに移籍してリリースした12枚めのスタジオ・フル・アルバム。

ジャケット・デザインやブックレットのアーティスト写真からも伺えるように、エピック時代のバンドのイメージを一新。テッド・テンプルマンをプロデューサーに迎えて、バラエティに富んだ楽曲をライブ感のあるサウンドで聴かせてくれる。

収録曲の大半は、アルバムのために書かれた新曲だが、一部の曲は古い曲のデモを再録している。AC/DC風の"Girlfriend"は、80年代初期に録音されたアウトテイク"Don't Steal My Girlfriend"が原型。ロビンとマーク・スピロが共作した"Ride The Pony"と、ロビンとニック・グラハムが共作した"Let Her Go"は元々はロビンのソロ・アルバム「Robin Zander」(1993)レコーディング時に書かれた曲である。

1stシングルとしてリリースされたアルバム・タイトル曲 、日本での1stシングル" "You're All I Wanna Do"は、何れもCheap Trickの音楽の源泉であるBeatlesの影響が伺える曲。日本独自でシングル・カットされた"Never Run Out Of Love"はリックとジム・ピートリックの共作で、歌詞に日本のファンへのメッセージが込められたパワー・バラード。Cheap Trickの真骨頂たるメロディセンスが発揮された曲が軒を並べる中、傑出しているのがリックとトッド・カーニーが共作した"Didn't Know I Had It" 長きに亘りライブで演奏され続けている、バンド史上に残る名曲といって良いだろう。

アルバムのリリース後に、Cheap Trickと契約したレニー・ワロンカーとモ・オースティンが解雇されたこともあり、日本以外の国でアルバムは十分にプロモーションされず、セールス面では苦戦。総合アルバム・チャート(Billboard 200)で最高123位を記録するに留まった